雷雨の中の来客
BBQ PEOPLEにて激しい風雨と雷の鳴り響く中、作業を諦めてひと休み(LIVE中継とかしてたっけw)していると、折り畳み傘をさし、リュックを背負った年配の方が入り口から、
「すみません、ちょっと雨宿りさせていただけませんでしょうか?」
と。折り畳み傘は横なぐりの雨には全く用をなしておらず、肩から下はずぶ濡れ。
「どうぞどうぞ。ちょうど私も雨が止むのをまっていたところですから。」
と手招きすると、うしろから同じ様子の女性の姿も。敷地内にあるガゼボ(東屋的なもの)の席にご案内し、暫し濡れた衣服を一旦脱いだりされていた。少し落ち着いた頃合いをみて
「降られてしまいましたね。お手洗いもありますから、遠慮なくお使い下さい。」
と話しかけると、
「高崎駅はまだ遠いですか?」
とご主人。
「そうですね。10分とすこしかかるかと思います。この雨ではもっとかかるでしょうし、止んでからの方がいいと思いますよ。」
と、私も席に着く。
「ありがとうございます。助かりました。」
と、奥様。見たところ、しっかりと歩く装備をされていたので
私「今日はどちらからここまで歩かれたのですか?」
ご主人「松井田、いや、杉並木のところからです。」
私「安中ですね。安中杉並木。」
奥様「そうです。安中からです。」
ご主人「二人で、中山道を歩いていまして、今日は安中から高崎駅まで歩く予定なのです。」
私「中山道をねぇ。長い道のりですねぇ。実はこの場所、一昨年まで、中山道恋文横丁という、通称屋台村といわれていた場所だったんですよ。」
などと、この場所の事や、高崎のまちの歴史や近年のあらましなどについて少しお話をし、とても興味深そうに聴いて下さった。また、お二人の事も。聞けばご夫婦は名古屋在住。東京で暮らす息子さんがいらっしゃるんだそう。
奥様「私達、中山道を歩いているんですけれど、今まで歩いたまちの中で、高崎が一番素敵だと思いました。ねぇ。」
ご主人「車で通り過ぎてしまうと何もわからないけれど、こうして歩いて見ると、そのまちの良さがよーくわかるんですよ。」
奥様「ほんとよね。ねぇおとうさん、さっきのお話(最近は、より良い住環境を求めて、高崎に居を構え、新幹線通勤される方も増えているという)伺ったところで、息子のいる東京にもすぐ行けて、温泉や自然のあるところもすぐ近くて、まちも素敵だし、いずれは高崎に住んじゃいましょうか。」
そう言って笑いながら顔を見合わせるご夫婦。
私「ぜひぜひ。お待ちしてますよ。」
と、私もニッコリ。
奥様「こういう若い方(実際は若くもないのだが、おそらく自分の両親よりも年上であろうご夫婦から見たら十分若者なのだろう)がきっとたくさんいらっしゃって、まちを元気にしているから、私たちは昔の高崎を知りませんが、いまの高崎が素敵なまちだと感じたのでしょうね。」
ちょうどそんな言葉を頂いた頃、雨が上がる。
ご主人「お世話になりました。助かりました。またゆっくり来たいと思います。」
奥様「有り難うございました。」
そう言って、ペットボトルの飲み物を一口飲んで、またご夫婦は歩いて行かれました。
中山道を安中から田町まで歩かれたご夫婦は、板鼻(ここまで安中)、八幡、豊岡、並榎、歌川、常盤、赤坂、本(町)、田町と歩いて街並みをご覧になって来られたはず。自分にとって本当に身近なまちを歩いてみて、住んでみたいと言って頂けることが、どれほど嬉しかったか。 雷雨で少し仕事は滞ってしまったけど、明日からも頑張れる元気を貰いました。 中山道の旅、これからもどうぞお気をつけて。そして楽しんで下さいね。
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